低カロリーで高タンパク スキムミルクの活用

低カロリーで高タンパク スキムミルクの活用

スキムミルクについて

日本ではスキムミルクというと脱脂粉乳のことを指します。生乳や牛乳の乳脂肪分を除去し、さらに水分を除去して粉末にしたもので、脱粉(だっぷん)とも呼ばれます。英語で「skim milk」または「skimmed milk」というと無脂肪乳を指し、乾燥粉末の意味はありません。

スキムミルクの歴史

スキムミルクは保存性が高く、タンパク質やカルシウムが豊富に含まれているため、戦後しばらくは児童の栄養改善を目的に学校給食に用いられました。昭和20年代にはユニセフ(国際連合児童基金)から脱脂粉乳の寄贈も受けます。昭和33年(1958年)に農林次官通達「学校給食用牛乳取扱要領」が通知され、学校給食に牛乳が提供されるようになりました。これを契機に脱脂粉乳は徐々に牛乳へと置き換わっていきます。それまでは、脱脂粉乳をお湯に溶かしたものが提供されていましたが、当時の脱脂粉乳は品質も衛生管理も決して十分であったとはいえず、子供たちにとっては決しておいしい飲み物ではなかったようです。しかし脱脂粉乳によって児童・生徒の栄養状態が改善し、健康の増進に役立ったことは評価されています。

スキムミルクの種類

食品衛生法に基づく脱脂粉乳は「乳及び乳製品の成分規格などに関する省令」により「生乳、牛乳または特別牛乳の乳脂肪分を除去したものからほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたものをいう」と定義されています。また成分の規格は、乳固形分95.0%以上、水分5.0%以下と定められています。脱脂粉乳に他の栄養を強化したりしたものは前記の定義に外れるので「乳または乳製品を主要原料とする食品」と表示されています。

・栄養強化タイプ

脱脂粉乳にカルシウムや鉄、ビタミンD、オリゴ糖、食物繊維、ビフィズス菌などを加えたものです。

・乳糖分解タイプ

牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてしまう人のために、乳糖の一部をあらかじめ分解してあるものです。

スキムミルクの製造工程

生乳を遠心分離して、クリーム(乳脂肪分)と脱脂乳に分けます。クリームは生クリームやバターに加工され、殺菌した脱脂乳を濃縮して乾燥させたものがスキムミルクとなります。乾燥方法は、乾燥室に清浄な熱風を送り、濃縮した脱脂乳を高圧ポンプで霧状に噴霧して乾燥させ、冷却します。霧状に噴霧することで蒸発面積が急激に増加して、瞬間的に乾燥させることができます。この方法を噴霧乾燥法といいます。生乳100㎏から約9㎏の脱脂粉乳が生産され、業務用などの製品はこの段階で包装されるものもありますが、一般的に市販される商品は、さらに顆粒状に加工されます。粉末の脱脂粉乳をインスタライザーという機会にかけ、蒸気で水分を6~16%に加湿して、粒子を結合させて多孔質の塊状粒子を作ります。これをローラーまたはふるいにかけて顆粒状にします。

スキムミルクの栄養

スキムミルク10gを水90mlに溶かしたものと、牛乳100gの栄養を比較してみると、タンパク質とカルシウムはほぼ同等に含まれています。脂質が少なく、エネルギーは約1/2と低カロリーなのが大きな特徴といえます。しかし脂質が少ない分、ビタミンAやビタミンDなど脂溶性の栄養成分は、牛乳と比較すると少なくなっています。

カゼイン

乳タンパク質は大きくカゼインと乳清タンパク質(ホエイタンパク)に分けられます。カゼインは凝固するタンパク質で、チーズやヨーグルトはカゼインの性質を利用して作られる食品です。カゼインは体内にゆっくりと吸収され、血中のアミノ酸濃度を長時間高い値で維持できます。また、カゼインは小腸で分解されてカゼインホスホペプチド(CPP)になり、小腸から鉄分の吸収を助ける働きがあるといわれます。

カルシウム

スキムミルクを標準的な濃度で水またはぬるま湯に溶かした場合、牛乳と同等のカルシウムが含まれているといえます。牛乳や乳製品のカルシウムは吸収率が高いといわれますが、その理由は、カゼインホスホペプチド(CPP)がカルシウムの吸収を高めたり、乳糖が小腸の粘膜に作用してカルシウムの吸収を助けるためです。

牛乳アレルギー

牛乳にアレルギーがある人の場合、その原因のひとつにはカゼインがあります。カゼインは100℃で加熱してもアレルゲン性はほとんど低下しません。また発酵によっても分解されにくいので、ヨーグルトやチーズでもアレルゲン性はほとんど低下しません。スキムミルクにもカゼインは含まれているため、牛乳にアレルギーのある場合は、スキムミルクでもアレルギー反応はおこる可能性が高いといえます。しかしカゼインは、加水分解により分子量を少なくすることでアレルギー反応がおこりにくくなるため、牛乳アレルギー用商品の生産が可能となっています。

スキムミルクのレシピ

スキムミルクは熱湯で溶かすとダマになりやすく、均一に溶けにくくなります。ぬるま湯か水に溶かしましょう。開封後は湿気を吸いやすく、固まったり品質も落ちるので、しっかり密封し乾燥した涼しいところに保管しましょう。冷蔵庫に入れると固まってしまうことがあります。開封後は冷蔵庫に入れず早めに使い切りましょう。

【スキムミルク入り 簡単プリン】

スキムミルク入り 簡単プリン

【材料】(作りやすい分量)
・牛乳        200ml
・スキムミルク    20g
・砂糖        30g
・ゼラチン      3g
・卵         1個
・バニラエッセンス  数滴

【作り方】
1. ゼラチンは10mlの水(分量外)でふやかしておきます。
2. スキムミルクと砂糖はよく混ぜ合わせておきます。砂糖と混ぜておくことで、スキムミルクがサッと溶けて、さらにダマになりにくくなります。

作り方2

3. 鍋に牛乳を入れて温めます。人肌より少し熱いくらい(50~60℃くらい)になれば大丈夫です。沸騰しないように注意しましょう。
4. 2.をよく溶かし、1.でふやかしておいたゼラチンも入れてよく溶かします。人肌より低い温度(35℃くらい)まで冷まします。

作り方4

5. ボールに卵を溶きほぐし、冷ました牛乳と合わせます。

作り方5

6. ホイッパーでよく混ぜ、ざるやシノアでこしてから器に注ぎ分けます。

作り方6

7. 冷蔵庫で数時間から一晩冷やし固めてできあがりです。

スキムミルクレシピのまとめ

スキムミルクは低カロリー、低脂肪で、タンパク質やカルシウムなどの栄養は豊富に含みます。コーヒー・紅茶のミルク代わりにしたり、料理やお菓子に少量混ぜるだけでも栄養価をアップさせることができます。成長期の子供や高齢者の筋力維持、ダイエットなど、日常の食事に取り入れて活用しましょう。

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