痛みを鎮め肌を美しく保つ桃

痛みを鎮め肌を美しく保つ桃

「桃」と言われて、まず想像するのは、フルーツの桃でしょうか?それとも、三月の桃の節句でしょうか?古くから不老長寿の妙薬と言われたり、節句名に使用されたりするフルーツ、桃。桃と私たち人類とはどのような絆で結ばれているのか、その栄養素やおいしいレシピをご紹介します。

桃とはどのような果物?

桃はバラ科モモ属の落葉小高木で、春には花を愛で、初夏にはその実を楽しむことができるとても身近な植物です。原産地は中国北西部のウイグル自治区あたりではないかとする説があります。
中国では桃には多くの薬効があることが知られていて「不老長寿の仙果」・「長生の実」と言われ、紀元前1000年頃からすでに栽培されていたとされています。
日本に伝わった時期については明確ではないのですが、縄文時代の遺跡から桃の種が出土しています。弥生時代にはすでに栽培され、大切に扱われていたようで、奈良県桜井市に位置する纏向(まきむく)遺跡から、桃の種が約2,800個発見されています。
放射性炭素年代測定の結果、西暦135~230年頃(弥生時代)のものと確認され、桃を使用して何らかの祭祀が営まれていたようで、ここは卑弥呼の墓なのではないかとの論争に一石を投じることになりました。日本最古の書物である『古事記』にも、桃に関する記述がみられるということです。
その後、明治時代になると果物としての桃の栽培が盛んになり、品種改良がおこなわれ、現在に至っています。平成26年果樹生産出荷統計によると、桃の生産量1位は山梨県、続いて福島県、長野県、和歌山県と続き、全国で137,000tもの収穫があるということです。

桃の栄養価とは?

古来より薬効が高く、神聖な食べ物とされてきた桃、いったいどのような栄養を含んでいるのでしょう?

① カリウム

カリウムは主に私たちの細胞内液に含まれ、過剰に摂取したナトリウムを排泄し、むくみを解消して血圧を正常に保つ働きがあります。また、近年の研究ではカルシウムが骨に沈着するのを助け、骨粗しょう症予防に一役かっていることがわかってきました。
生の桃100gあたり、180mgのカリウムを含んでいます。

② ビタミンE

ビタミンEは脂溶性のビタミンの一種で、強い抗酸化作用をもっています。そのため、細胞膜や血管の老化を予防して、血行を促進して肌を美しく保ち、アンチエイジングや生活習慣病の予防に効果が期待できます。
とはいえ、脂溶性ビタミンは取りすぎると体内に蓄積されるため、サプリメントや薬を利用する際は過剰摂取に注意が必要です。
生の桃100gあたり、0.7mgのビタミンEを含んでいます。

③ ペクチン

ペクチンは主に植物の種子や皮の周りに含まれている水溶性の食物繊維で、腸内で水分を抱えて便を柔らかくして、便秘を解消し、腸内細菌のエサとなって腸内環境を整える働きが期待できます。
さらに、急激な血糖値の上昇を抑え、血糖値をコントロールし、胆汁酸の吸収を抑えて悪玉コレステロール(LDLコレステロール)値を低下させる働きがあります。
生の桃100gあたり0.6gの、ペクチンをはじめとする水溶性食物繊維を含んでいます。

④ カテキン

カテキンは主に緑茶に含まれるポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用により、生活習慣病を防ぐ働きがあります。

⑤ クエン酸

クエン酸は私たちが食べたものを体内で分解し、エネルギーを生成する働きを助けます。また、体内に溜まった疲労物質である乳酸を、炭酸ガスと水に分解して排せつする働きを促進させます。これをクエン酸サイクルといい、体内の脂質や酸性物質である乳酸を減らし、血液をサラサラに保つ働きがあります。
生の桃100gあたり、0.1gのクエン酸を含んでいます。

⑥ クマリン

クマリンは桜餅に使用される桜の葉やパセリ、シナモンなどにも含まれる香り成分で、ポリフェノールの一種です。抗菌作用に優れ、血液をサラサラにして代謝を上げ、心臓病、脳梗塞などの病気の保養にも役立ちます。

桃のおすすめレシピ

【桃と水切りヨーグルトのフルーツサンド】

ジューシーで甘い桃は、そのまま食べてもおいしいですが、フルーツサンドもおすすめです。

【材料】
桃             1個
サンドイッチ用食パン    4枚
バター           少々
ヨーグルト         200cc
生クリーム         100cc
砂糖            適宜
あればフランボワーズジャム 適宜

材料

【作り方】
① ボールにザルを重ね、キッチンペーパーをしいた上にヨーグルトを流して冷蔵庫に入れ、2時間程度水切りをします。

② 生クリームに砂糖を加え、泡立ててから、①のヨーグルトを混ぜ合わせ、ヨーグルトクリームを作ります。

③ 桃は皮をむいてくし形に切ります。

④ 食パン2枚にバターを薄く塗り、あればフランボワーズジャム、②のクリームを塗ります。

作り方④

⑤ 残り2枚のパンにはバターを薄く塗っておきます。

⑥ ④のクリームを塗った方のパンに桃を並べます。

作り方⑥

⑦ 残りのクリームを、桃の隙間を埋めるように塗り広げて、⑤のパンをバターの面を下にしてかぶせます。(下の写真のように、上からバター⇒クリーム⇒桃⇒クリーム⇒ジャム⇒バターという順番でパンにはさみます。)

⑧ ラップフィルムでくるんで30分程度置いてなじませ、好みのサイズにカットします。

作り方⑧

桃レシピのまとめ

古来より神聖な果物として扱われてきた桃、血行を促進し、果物の中では珍しく、体を温める働きがあります。夏とはいえ、エアコンによる冷えからくる肩や首筋、腰の痛み解消の一助にもなりますね。葉や核はかゆみ止め、痛み止めの薬としても利用されてきました。
しかし、バラ科のフルーツである桃には、交差反応といって花粉症、ラテックスアレルギーがある方にはアレルギー症状が出ることがあります。アレルギー体質の方は念のためご注意くださいね。

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