滋養強壮や便秘解消に長芋

滋養強壮や便秘解消に長芋

一年を通して見られる長芋、とろろにしたり、和え物にしたり、いろいろと楽しめますね。調理方法により、シャキシャキ、ほこほこ、そしてとろとろと、さまざまな食感を楽しめるのも魅力の一つ。今回はそんな長芋の栄養価や調理方法、レシピをご紹介します。

長芋とは?

長芋は、ヤマノイモ科のつる性植物で、中国の雲南省周辺が原産だとする説と、日本の在来種だとする説があり、縄文時代には既に山芋や長芋の仲間を食用として食べていたのではと言われています。
長芋は50cm~70cm程度の長さに成長し、茎に近い方の直径は3~4cm、一番先の太いところは直径が平均7cmほどの、まるでバットのような形に成長します。薄い黄土色の皮に包まれ、同じ仲間の自然薯やヤマトイモに比べると水分が多く、すりおろすと、とろみがありながらもサラサラとしています。
品種改良、突然変異などを経ているため、私たちが現在口にしている長芋そのものを指すかどうかは確実ではないですが、漢方薬でいう山薬(サンヤク)は長芋を干したもので、滋養強壮の薬として中国最古の薬学に関する書物、『神農本草書』に、掲載されています。
日本でも、長芋は「山のうなぎ」として、滋養がある食材だということは古くから知られていました。

長芋の選び方と下処理、保存方法

長芋は皮に傷がなく、持ってみて重みがあり、切り目が白いものを選びます。保存する場合は新聞紙でくるみ、切り口をラップフィルムで覆っておきます。収穫されてから2週間程度でアクが出やすくなりますので、できるだけ早めに利用しましょう。
なお、皮をむいてから酢水をくぐらせると、ある程度変色を防ぐことができます。しかし、後述のカリウムやビオチンなどの水溶性の栄養素は水に浸けておく時間が長くなると、酢水の中に溶けだしてしまいます。できるだけ早く調理できるようにタイミングよく処理をするとよいですね。
なお、長芋をむいて手がチクチクと痛くなることがあります。長芋には、シュウ酸カルシウムという針状の結晶となった成分が皮のすぐ下の層に含まれていて、この結晶が手に刺さることで起こります。
あらかじめ調理用の手袋をつけて作業をすると、ある程度防止できますが、手がチクチクと痛くなってしまった時には、塩や酢をその部分につけ、軽くパッティングするようにしてあげると収まりますので、お試しくださいね。

長芋の栄養価とは?

① カリウム

カリウムは主に私たちの細胞内液に含まれ、過剰に摂取したナトリウムを排泄し、むくみを解消して血圧を正常に保つ働きがあります。また、近年の研究ではカルシウムが骨に沈着するのを助け、骨粗しょう症予防に一役かっていることがわかってきました。

② ビタミンB1

水溶性ビタミンの一種、ビタミンB1は糖質をエネルギーに変え、疲労回復を助け、糖が唯一のエネルギー源である脳神経系を健康に保つ働きがあります。また、皮膚や粘膜の健康を担っています。

③ アミラーゼ

アミラーゼはジアスターゼともいわれる消化酵素の一種で、でんぷんをブドウ糖へと変換させます。
アミラーゼは私たちの胃からも分泌されていますが、疲労やストレスから胃腸の働きが鈍ると分泌が減ってしまいます。そのため、消化不良や胃もたれを起こしてしまいますが、このような時に有効です。
比較的消化が悪い麦ごはんに長芋のとろろをかけていただくのは、消化促進の意味があるのですね。

④ ビオチン

ビオチンは水溶性のビタミンB群の一種で、ビタミンHとも呼ばれています。糖質の代謝を補助し、食べたものからエネルギーを作り出すはたらきをしています。
また、アミノ酸の代謝に重要な役割を果たしており、皮膚の炎症を防止する因子の一つであることが知られています。

⑤ 糖タンパク化合物

その名の通り、糖とたんぱく質が結合してできた多糖類の一種で、長芋や山の芋、納豆などに含まれるネバネバ物質です。
目の表面や胃壁、腸壁、口や呼吸器の粘膜に含まれるムチンという物質に似て、皮膚や粘膜にうるおいを与えて乾燥を防ぎ、細菌の侵入を防いで感染症のリスクを下げる働きを助けています。

⑥ レジスタントスターチ

レジスタントスターチとは、糖質として私たちの小腸で分解されることなく、大腸まで届き、炭水化物でありながら食物繊維同様の働きをして、胃腸の調子を整えるといわれています。
生の長芋をはじめ、冷めたごはんや豆類などにも含まれています。

長芋の炊き込みご飯

生でも加熱してもおいしい長芋ですが、ごはんに炊き込むとホクホクとした食感が楽しめます。前出のレジスタントスターチを意識してとりたい時には、常温に冷めてから召し上がってくださいね。
【材料】    約4人分
・長芋     5~7cm分
・米      2合
・出汁昆布   5cm角1枚
・しょうが   1/2かけ
・塩      小さじ1/2
・日本酒    大さじ1
・水      適宜
・三つ葉    2本程度
(お好みで、小口のネギやゆず)

材料

【作り方】
① 米を洗って水を切り、炊飯器に入れて、まずひたひたの水を加えます。
② 塩、日本酒を加えてからメモリの位置まで水を入れ、出汁昆布を加え、ざっと混ぜて吸水させておきます。
③ 長芋は皮をむいて1.5cm程度の角切りに、しょうがはみじん切りにします。

作り方③

④ ②の米の上にしょうがと長芋を加え、炊飯します。

作り方④

⑤ 炊き上がったら長芋をつぶさないようにさっくりと混ぜ、器に盛り、好みで小口に切った三つ葉など散らします。

作り方⑤

まとめ

今回、長芋はホクホクとした食感を手軽に楽しめる炊き込みご飯をご紹介しました。このほか、片栗粉をしっかりとつけて揚げたり焼いたりしてもホクホク感が楽しめます。
生のまま千切りにし、梅酢やポン酢をかけるとシャキシャキ感が、すりおろすとトロトロに、と、一つの食材でこんなに多くの食感を楽しめる食材は、そう多くはないかもしれませんね。
猛暑の後の秋は何かと体調を崩しがちになります。長芋をいろいろなお料理で楽しみ、おいしい秋を楽しんでくださいね。

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