健脳の木の実 くるみ

健脳の木の実 くるみ

ナッツの中でも手に入りやすいくるみ、お酒のおつまみやお菓子、パンのトッピングに、と、私たちの身近にある木の実の一つですね。ナッツというと、輸入の木の実というイメージがありますが、くるみは山深い信州地方では、大切な食材の一つとして、古くから利用されてきました。今回はそんなくるみの効能や、信州地方のおいしい郷土料理の一つ、五平餅をご紹介します。

くるみはどのような木の実?

くるみは、クルミ科クルミ属の落葉高木で、その種の中に含まれる種子が、私たちが食べている部分です。私たちがくるみといって思いつくものの多くは、主にアメリカはカリフォルニア州をはじめとする、外国産の輸入品です。
これらのくるみは主にペルシャ地方が原産のくるみで、当地では紀元前7000年個から食用とされてきました。その頃からペルシャでは体によい木の実として重宝され、栽培されていたといいます。
その後、人々がヨーロッパからアメリカに入植するようになり、くるみも食用の樹木として持ち込まれました。1800年後半になり、カリフォルニアの気候が生育に適していることがわかると、くるみの栽培、生産が本格的に行われるようになり、現在のような一大産地へと発展することとなります。
一方、日本には主に本州中部以北の川べりに自生する、在来種の鬼ぐるみ(和ぐるみ)という品種があり、縄文時代より食用として利用されてきました。輸入品のくるみよりは一回り小さく、殻がとても固いのが特徴で、熊をも近づけないともいわれています。
なお、ギリシャを起原とするくるみの木はとても固く、色や木目が美しいことから銃や家具の材料として利用されてきました。

くるみの栄養価

① ビタミンB6

ビタミンB6は食材に含まれるたんぱく質からエネルギーを生産したり、皮膚、筋肉や血液を生成したりすることにかかわっています。そのため、不足すると口内炎、湿疹ができたり、貧血が見られたりします。

② ビタミンE

ビタミンEは脂溶性のビタミンの一種で、強い抗酸化作用をもっています。そのため、細胞膜や血管の老化を予防して、血行を促進し、アンチエイジングや生活習慣病の予防に効果が期待できます。とはいえ、脂溶性ビタミンは取りすぎると体内に蓄積されるため、サプリメントや薬を利用する際は過剰摂取に注意が必要です。

③ 葉酸

水溶性ビタミンの一種、葉酸は、細胞分裂を正常に行う働きを担っています。また、ビタミンB12とともに血液を作る働きがあり、不足すると巨赤芽球性貧血という悪性の貧血を引き起こします。妊娠初期の女性が葉酸不足になると、胎児に発育障害などがみられることがあります。また、葉酸は、成人においては脳卒中、心筋梗塞などの循環器系疾患の発症リスクを軽減する働きが確認されています。

④ マグネシウム

マグネシウムは体内でエネルギー代謝にかかわる酵素の働きを促し、また、たんぱく質の合成をする働きがあります。ダイエットや美肌にとても効果的で、美容に欠かせないミネラルとして注目を浴びています。

⑤ α-リノレン酸

α-リノレン酸は、イワシなどの青魚に多く含まれるDHAやEPAとよく似た脂質で、オメガ3脂肪酸の一つです。
α-リノレン酸は一部が体内でDHAやEPAに変換され、心臓や血管の疾患による死亡リスクを下げることがわかっています。また、α-リノレン酸をはじめとするオメガ3脂肪酸は体内では合成することができず、不足すると皮膚炎などを引き起こすことがあるといわれています。

⑥ 銅

銅は、血液中のヘモグロビンに鉄を組み込む役割をしています。そのため、鉄分をしっかりと取っていても、銅が不足していると、赤血球中の鉄分が不足し、貧血になってしまいます。また、体内のさまざまな酵素のもととなり、抗酸化物質として働いたり骨を形成する助けになったりしています。

⑦ 亜鉛

亜鉛は新陳代謝を担う多くの酵素を作る成分となり、皮膚や粘膜を保護する働きがあります。舌の上にある、味を感じる味蕾という細胞の代謝を促進する効果があるため、亜鉛不足になると味覚障害を起こしてしまうことが知られています。

また、アメリカニューヨーク州にある発達障害基礎研究所、アバ・チャウハン博士らの、マウスを使った実験によると、くるみを食べることで酸化ストレスが軽減し、体の防御メカニズムが改善され、アルツハイマー病の発症を遅らせるのではないかと言われています。中医薬膳学でも、くるみは健脳効果が期待できるといわれ、この機能は木の実ではくるみだけに含まれているということです。

おすすめレシピ【五平餅】

【材料】     2個分
ごはん      1膳分
≪みそだれ≫   作りやすい分量
くるみ      15g
白ゴマ      15g
みりん      50cc
砂糖       50g
みそ       50g
※残ったくるみ味噌は、田楽味噌や和え物用としてご利用ください。
【作り方】
1. フライパンまたはトースターでくるみ、白ゴマをさっと温める程度に加熱します。
(油分が多く、焦げやすいので注意して下さい)

作り方1

2. すり鉢にくるみを入れてすり、ざっと潰れたら白ゴマを入れてよくすり潰します。

作り方2

3. 続いて砂糖、みりん、味噌を入れてすり混ぜます。
4. ごはんは冷めていたら電子レンジにかけて軽く温め、ボールに入れてすりこぎで粒が半分残る程度に潰します。(これを日本料理用語で半殺しと言います。)

作り方4

5. (4)のごはんを平たいフットボール型に丸めて伸ばし、割りばしまたは竹ぐしを挿します。割りばしや竹ぐしは焦げやすいので、アルミホイルでくるんでおきます。
6. (5)のごはんに(3)のみそだれを塗って、トースターまたは魚焼きグリルで軽く焦げ目がつくまで焼きます。

作り方6

まとめ

世界中で愛され、体によいといわれてきた木の実、くるみ。日本では信州地方で古くから大切な栄養源として、さまざまな料理に利用されてきました。今回ご紹介した以外にも、糖尿病や肥満、メタボリックシンドロームの予防にも効果的だということが確認されてきています。
普段はお酒を飲むときに少しつまむ程度にしか召し上がる機会がない、という方も多いと思いますが、くるみは片手に軽く一杯食べるとよいといいます。この機会にくるみを食べる習慣をつけてみるのも良いですね。

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